PRODUCER SPOTLIGHT: 八木澤商店 河野さんインタビュー記事 -東日本大震災から10年

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Interview with Yagisawa Shoten
河野社長(上段左から三番目)を含むCAMOCYに関わるチームのみなさま

2011年に起こった東日本大震災から今年で10年の節目を迎えるにあたり、岩手県陸前高田市で200年以上に渡って醸造業を営む株式会社八木澤商店代表の河野さんにお話を伺いました。

八木澤商店は東日本大震災の津波によりほぼ全てを失いました。その後、自社の再建と並行し、他のメンバーも関わり、発酵をテーマにした商業施設「CAMOCY」をオープンしました。CAMOCYには発酵定食、発酵デリ、パン、チョコレート、クラフトビールなど、バラエティに富んだ店舗が入っており、発酵文化を伝え、新しい発酵の可能性を探っていく企画・プロデュースを行なっています。

 

ココロ:海外から訪れる多くの外国人は、まだ東北を訪れたことがありません。他の地域と比べて、どのようなところがユニーク(特別)な地域だと思いますか? 

河野さん東北は日本の中で唯一食料自給率が100%を超えている地域です。

 それは、三陸沖は世界三大漁場と言われる水産資源が豊富な海があること。

 また、険しい山岳地帯や河川の数が多くこの豊富な水資源が食の豊かさと日本の他地域と比べても格段に品質のよい食を与えてくれる。

 その例として、陸前高田市の牡蠣は日本一の値がついている。

 水資源を活用した発酵食文化は古くから根付いている地域であり、日本酒の蔵元も東北地域には多い。

 東北から地域の食文化が独自で発達しているが、これらがまだ海外の人には知られていない魅力。

 

Interview with Yagisawa Shoten

CAMOCYで提供されている料理

ココロ:ご自身や、会社として、地域コミュニティとどのようにかかわっていらっしゃいますか?その中で、食べ物はどのような役割を果たしていると思いますか?

 河野さん:自分自身としては、地域の優れた食材をより多く知っているので、その生産者とのネットワークを発酵というキーワードとして繋いでいる。

 会社としては、その素晴らしい食材を自身の海外も含めたネットワークで海外に広めている。

 

Interview with Yagisawa Shoten
2020年12月にオープンしたばかりの発酵パーク「CAMOCY」

Interview with Yagisawa Shoten
CAMOCY 入り口

Interview with Yagisawa Shoten
 CAMOCY 飲食スペース

ココロ:会社、地域、人など、東日本大震災の影響としては、どのようなものがありましたか?この10年で、復興はどのようになされているでしょうか。 

河野さん:自身も会社も資産は全て津波で流されてしまった。コミュニティも99%が破壊されてしまった。

 10年経ってやっとコミュニティはハードの面の工事が終わり、土地が戻ってきた。

 そこに、仲間と陸前高田発酵パーク CAMOCYを昨年12月にオープンし、自社の本社と味噌工場も建設中である。

 10年目がスタートです。

 

ココロ:政府予算や、オリンピック、コロナなど、外部の影響は復興へどのような影響を与えていますか?具体例があれば教えてください。

河野さん:復興工事は、オリンピックやコロナの影響で遅れたが、与えられた環境でベストを尽くしている。

 

ココロ:ご自身が思う、東北地域の未来についてお聞かせいただけますでしょうか。

河野さん:東北は世界に冠たる資源の宝庫なので、この美しい東北を守りながら、自分たちが出来る範囲でノアの箱舟になろうと思う。

 

Interview with Yagisawa Shoten
 CAMOCYで提供されている「塩麹シャケのはらこ飯」 

Interview with Yagisawa Shoten

 CAMOCYで提供されている「南部どりのステーキご飯 

関連記事・サイト: PRODUCER SPOTLIGHT: Yagisawa Shoten - "Miracle" Soy Sauce , https://yagisawa-s.jp

写真提供 : 株式会社八木澤商店

 

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